紫微斗数

◎十一面観自在菩薩◎

十一面観音は、『法華経』の「普門品」に説かれる「あらゆる方角を向いた(samantamukha)」という表現から派生したいわゆる変化観音の一つであり、西インド・カーンヘリーの貴重な石像をはじめ、日本にも奈良・滋賀の両県を中心に名作が多い。実際に、チベットなどでも十一面観音は「十一面を持つもの」より、「大慈を持つもの」と呼ばれる傾向が強いことは示唆的である。
(本文は梵字大鑑 種智院大学密教学会編 名著普及会より)

変化観音のなかで、もっとも早くインドで成立しました。頭上に11の顔をもつ特徴的な姿をしているため、他の観音像とすぐに区別がつきます。ほとんどの十一面観音像は、腕2本の二臂像です。
この11面は、四方ならぬ十方を見つめて、すべての人々に救済の手を差し伸べるという意味や、観音の働きが多面的であることを表わしています。
頭上の十面が10種の勝利(果報)、頭頂の仏面が4種の功徳勝利をあらわすという。あるいは、頭上の十面は修行中の菩薩を、頭頂の仏面が結果をあらわすともいう。
中央の大きな顔を本面といい、頭上に十一面を有するのが一般的である。
正面の三面は慈悲相、左の三面は瞋怒面、右の三面は狗牙(白牙)を上に突き出した狗牙上出相、後の一面が暴悪大笑相、そして頭上の一面が如来相である。また、正面の観音のシンボルである化仏をつけるが、これは数には入れない。左手に水瓶を持ち、右手に施無畏印に組むのが一般的である。
衆生の声に応じて救いの手を差し伸べる慈悲深い菩薩として信仰を集める十一面観自在菩薩には、四方八方に顔を向けて一切の衆生を救済する現世利益を持っている。
人々が六道(阿修羅)を輪廻転生して苦しんでそれぞれの世界で、慈悲を持って救ってくれる六観音もそのあらわれの一つである。
(本文は密教の本  驚きべき  秘儀・修法の世界、仏像鑑賞ハンドブック、仏像の見方ハンドブックより)



 
*写真は「印度 生死の月」がぞうギャラリーより*

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