紫微斗数

千手観音大悲心陀羅尼

この陀羅尼は、七世紀の中頃、唐へ来たインド僧・薄伽梵達摩の訳した『千手千眼観世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼』の長い陀羅尼である。観音の威徳をたたえ、罪障消滅、諸縁吉祥を祈るものである。

観世音は「世」の音を観ずる。すなわち、衆生が御名を呼びかけるのに応じ悩みや願いを察したまう。さらにいうならば、その御名の妙音を衆生に聴かせたまう。

経題でいう広大は、この英雄の体であり、円満は作(はたらき)であり、無礙は何一つ妨げられることない相(すがた)である。千手千眼は、すべての時と場所にもれなく衆生を救うことであり、相手の立場を察して、その人に合うようにさまざまな手段を尽くすことである。大悲は衆生の苦しみを哀れみ、泣かないけれど涙の乾く間もない心である。

この経には観音十大願文がある。

○南無大悲観世音   願わくは我速かに一切の法を知らんことを。
○南無大悲観世音   願わくは我早く智慧眼を得んことを。
○南無大悲観世音   願わくは速かに一切の衆を度さんことを。
○南無大悲観世音   願わくは我早く善き方便を得んことを。
○南無大悲観世音   願わくは我速かに般若の船に乗らんことを。
○南無大悲観世音   願わくは我早く苦海を越えるを得んことを。
○南無大悲観世音   願わくは我速かに戒定道を得んことを。
○南無大悲観世音   願わくは我早く涅槃の山に登らんことを。
○南無大悲観世音   願わくは我速かに無為の捨を会わせんことを。
○南無大悲観世音   願わくは我早く法性身を同じくせんことを。

この大悲神呪の形相は、大慈悲心、平等心、無染着心(とらわれぬ心)、空観心(己をむなしくてありのままにみる心)、恭敬心、卑下心、無雑乱心、無見取心(己よりどころを絶対とすることがない心)、無上菩提心(この上もない悟りを求める心)である。

経には、この陀羅尼の説かれる因縁がある。
過ぎし世に、観世音菩薩は、千光王静住如来よりこの陀羅尼を授かり、あらゆる機縁にもれなく衆生を救うために、千手千眼を賜りたいと願ったら、千手千眼を授けられた。
衆生がこの陀羅尼を頂きながら、救われないならば、私は決して悟りを開くことがないと、観世音菩薩は誓う。


*千手観音の眷属 二十八部衆*
一切の生きとし生ける衆生が生死を輪廻して生存する全世界の天・地・海を代表する天・龍二十八部の善神で、千手観音の眷属(従者)として従う。千手観音を守護し、千手観音大悲心陀羅尼を唱えるものを保護し、功徳をもたらすという。

*ご利益*
千手観音の名を唱えただけで、すべての願いが叶い、虫の毒消しや安産、夫婦円満などの効験ありといわれる。さらに千手観音大悲心陀羅尼を唱え、或いは聞くだけで過去からの罪業が消えるという。このような現世利益的な性格を持つ千手観音は、古くから最高の観音として早くから爆発的な信仰を集めた。

*参考文献*
句義入梵文鈔   中山書房仏書林
真言陀羅尼   平河出版社
仏像鑑賞ハンドブック   PHP

千手観音ーWikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E6%89%8B%E8%A6%B3%E9%9F%B3

 

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