紫微斗数

◎聖如意輪根本陀羅尼◎

如意輪は、チンターマニチャクラ 如意宝輪の訳語である。
如意は福徳、輪は智徳をあらわす。
東大寺の大仏は『大方広仏華厳経』の中の毘盧遮那仏であるが、その向かって右脇侍が如意輪観音で、左脇侍が虚空蔵菩薩である。
(本文は真言陀羅尼 坂内龍雄著 平河出版社より)

如意輪観音は変化観音一つで、観音信仰と如意宝珠の信仰が合体したものである。すなわち、観音に対する人々の慈悲救済の要望が高まり、如意宝珠のようにどこまでも転がって人々の願望を満たす尊格が求められたのであろう。もっとも尊像としてはインドには現存せず、敦煌の壁画が初見である。
(本文は梵字大鑑 種智院大学密教学会編 名著普及会より)

サンスクリット語でチンターマニ・チャクラという。チンターマニは「如意」、如意宝珠の意味。チャクラは「輪」、法輪の意味である。如意宝珠は、思い通りに働き、あらゆる願いごとを自在に叶えてくれる不思議な珠である。また、人々の願いを聞き入れてくれる仏の徳をも意味する。

法輪は智慧の力であらゆる人々を教え導く仏の教えを、戦場であらゆる敵を駆遂する戦車のたとえたもので、人間の煩悩を破壊するともいわれている。
そのような如意宝珠を併せ持って、あらゆる願いを叶えてくれるのが、如意輪観音なのである。また、どこへでも意のままに転がって行くものとも解され、人々に歓迎された。
また、人々が六道(天道)を輪廻転生して苦しんでそれぞれの世界で、慈悲を持って救ってくれる六観音もそのあらわれの一つである。
如意輪観音の姿が最も多いのは六臂像だ。体の色は金色で、阿弥陀如来の化仏のついた宝冠をかぶる。右膝を立て、両足の裏を合わせるようにしたユニークなボーズで、蓮華座に座っている。これは如意輪観音独特の座法で輪王座と呼ばれる。
右の第一手は肘を頬に当てている。これを思惟手という。衆生をいかに救済すべきかを熟慮している姿で、半跏思惟の弥勒菩薩と同じボーズである。第二手は、この観音のシンボルである如意宝珠を持つ。第三手は念珠を持ち、一切の苦悩を除くことをあらわしている。
左の第一手は伸ばして膝の後ろの金山(光明山)の上におき、世界が不動であることをあらわす。第二手は掌を前方に向け、親指と人差し指で蓮華を持って、もろもろの非法や罪悪を清めることをあらわす。第三手には法輪を持ち、最上の仏の教えを説くことをあらわす。
「如意輪陀羅尼経」という経典は、如意輪観音が「世間と出世間に財宝を与える」と説く。世間とは、我々が住む迷いの世界。出世間とは世間を脱した悟りの世界である。如意輪観音は世間には金銀財宝などの富を与え、出世間には深い慈悲の心で智慧と、さらなる幸福を与えてくれるといわれている。
(本文は仏像鑑賞ハンドブック   PHPより)

 
*参考サイト*
如意輪観音 - Wikipedia

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